アロマは紀元前にはエジプトで健康や美に活用されていました。そして今現在のメディカルアロマのスタイルは、フランスで誕生したと言われています。日本を含む中国、台湾、韓国などアジア諸国で漢方として植物を用いたように、ヨーロッパでは古くからハーブを治療に使用していました。ヨーロッパの複数の国では、1900年代の初頭からメディカルアロマが代替治療や補完医療の一環とし、医療現場に導入されています。
日本では、主にリラクゼーションとしてアロマテラピーが活用されていますが、近年ではアロマを医学に活用するメディカルアロマという考え方も浸透しつつあります。 一例として、一部の婦人科、産婦人科でメディカルアロマが導入されています。具体的には、妊婦のむくみ解消、ストレス軽減、さらに不妊治療や更年期障害あるいは月経不順などにアロママッサージが適用されています。
ただし、ただ精油を使ってマッサージをすれば良いという話ではありません。アロマオイルの中には、女性ホルモンのエストロゲン様作用を持つものもあります。そのため、ホルモン療法を受けている乳がんや子宮がんの患者さんには、使用を避ける必要があるオイルも存在するのです。
その他、 緩和ケアの分野でもメディカルアロマの導入例が増えています。患者さんの不安、不眠などの症状を和らげる目的で使用されたり、抗がん剤治療によるのぼせ、食欲不振、倦怠感などの症状改善にも役立てられています。